公開日:2018/08/24

ギターの神様に学ぶ、マーケティングの基礎の基礎

エリック・クラプトンという人物をご存知でしょうか?
1960年代から活躍しているイギリス人のギタリストであり歌手です。「いとしのレイラ」「ティアーズ・イン・ヘブン」「チェンジ・ザ・ワールド」といった曲を歌っている人と言えばわかるかもしれません。
日本でもファンが多く、楽曲がCMに使われることも多いので、名前を聞いてもピンとこなくても曲を聞いてみると「あ!知ってる!」という人も多いのではないでしょうか。

 

若きクラプトンはヤードバーズのギタリストとして名を上げますが(以前紹介したジミー・ペイジの先先代ギタリストです)、ブルースをやりたかった彼はポップになっていくバンドの方向性が気に入らず脱退します。

 

その後参加したブルースブレイカーズやクリームではロックギタリストとしてさらに評価を高めるようになり「ギターの神様」と呼ばれるようになります。
ブラインド・フェイス、デレク・アンド・ザ・ドミノスを経てソロに転向すると、ギターだけでなく歌手としての才能も大いに発揮するようになり、「ギターの神様」はいつしかトップミュージシャンとなっていました。

 

ギターの神様が経験した80年代の思わぬ苦労

80年代になると、長い間苦しんできたアルコール依存症も克服、レコード会社とレーベルも移籍し心機一転新たな環境で楽曲作りに励むことになります。
しかし、80年代というのは、音楽ファンの好みが大きく変化していた時代でもあり、それまでどれだけ斬新なサウンドに挑んでいたとしても、60年代、70年代というだけで「古臭い」というレッテルが貼られていました。

 

「新しい」音楽シーンの流れに乗り遅れないために、多くのベテラン歌手やバンドが路線の変更を余儀なくされていました。この流れは、クラプトンにも無縁ではありませんでした。

 

レコード会社を移って最初に発表した「マネー・アンド・シガレッツ」の売り上げが思ったようには伸びなかったのです。ライ・クーダーをゲストに迎え、愛してやまないブルースをフィーチャーしたアルバムがあまり売れなかったことに落胆したと思われます。

 

さらに、追い打ちをかけるようにレコード会社から、当時はやっていたシンセサイザーを取り入れたコンテンポラリーなサウンドに、MTV映えするようなビジュアルとコンパクトな楽曲を作るように求められたのです。
クリームでの活動ではハードロックの可能性を押し広げ、ソロ時代はいち早くレゲエに目をつけるなど、どちらかという時代を先取りしていたはずのエリック・クラプトンが流行りに乗るように求められたのですから、屈辱も感じたかもしれません。

 

ギターの神様の復活

しかし、次作「ビハインド・ザ・サン」さらにその次の「オーガスト」では、当時はプロデューサーとして売れっ子であったジェネシスのフィル・コリンズを迎えています。レコード会社の望むサウンドを大々的に取り入れ、かつてなら気乗りしなかったはずのミュージックビデオも積極的に出演しました。

 

昔からのエリック・クラプトンファンの中にはすっかり変わってしまった姿に落胆する人もいたようですが、「終わった人」扱いしていた若い世代にアピールすることができました。もちろん、レコード会社からの信頼も得ることができたのかもしれません。

 

80年代の終わりには、この路線の集大成となる「ジャーニーマン」を発表します。80年代的なサウンドとエリック・クラプトン本来のサウンドが融合したようなアルバムですが、これがエリック・クラプトンの80年代最大のヒットアルバムとなります。

 

それだけではありません。90年代に入ると「アンプラグド」ライブで、扱う楽曲のほとんどブルースという構成だったにも関わらず大好評を博しました。この大成功に勇気付けられたのか、次のスタジオアルバム「フロム・ザ・クレイドル」は全曲ブルースの名曲をカバーするものとなりました。しかし、それでも英米ともに1位を獲得するほどのヒットアルバムとなったのです。

 

その後、現在に至るまで「ギターの神様」として活躍を続けていることは説明の必要はないでしょう。

 

 

ギターの神様とダン・ケネディの共通点

ミュージシャンの活動でよく「自分の作りたい音楽を」という言葉をよく聞きます。
しかし、どれだけ優れた音楽を作っても、誰も興味を持たず売れなければ存在しないのと一緒です。今でこそコンサートでの集客力が世界トップクラスと言われるロジャー・ウォーターズだって、かつては素晴らしいソロアルバムを発表しながら売上においてはピンク・フロイドをの看板を継いだデヴィッド・ギルモアに大きな差を付けられていました。

 

筆者はミュージシャンではないので想像でしか言えないのですが、自分の曲を愛してくれるファン層を開拓していくために時には、多くの音楽ファンが聴いているような流行りのサウンドに合わせる必要もあるのではないでしょうか。
雌伏の時さえ乗り越えれば、そこには自由な創作活動が待っている・・・。これを耐え抜き「ギターの神様」として返り咲いたのがエリック・クラプトンなのです。

 

さて、これは会社経営にも同じことがいえます。
世界的なマーケティングの権威であるダン・ケネディは「商品は顧客獲得、維持のためのツールにしか過ぎない」ということを言っています。

 

ダン・ケネディというと「群れ」という言葉ばかりが注目されがちですが、「群れ」がどれだけ強固に囲われていようとやむを得ない事情で離脱する層はどうしても出てきてしまいます。
そのため、「群れ」を維持・成長させるには、新規のお客様の獲得が必要になってくるのです。

 

そして、お客様の関心をあなたや会社に向けるために商品がある。「商品は顧客獲得、維持のためのツール」とはこういう意味です。
であるならば、「ターゲットになる人が最も多いのはどこか」「ターゲットはどんなものに関心があるのか」などなど、商品を作るにあたってはお客様のことこそを考えるべきということになるでしょう。

 

PS

ターゲットを絞るにはどうすればいいのか?それがわからないんだ!
そんなお悩みがあるのなら、この記事を読めば秘訣がわかりますよ。

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