なぜ賃金アップだけでは社員のやる気は上がらないのか?

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From:脇田優美子

人手不足の状況を打破するために、賃金の見直しをする中小企業経営者が増えているようです。

大企業と異なり十分な資金力がない中で、効果的な賃金の支払い方とはどんなものか、考えてみる価値があるでしょう。

今回は、中小企業の昇給事情と賃金戦略を取り上げます。

 人手不足の会社が昇給している

給料アップに踏み切っている経営者の多くが理由に挙げているのが、人材の確保と囲い込みです。

中小企業の社長の人材確保についての大きな悩みは、

  • これまでの給与水準では新規採用が難しくなってしまった…
  • 社員の定着率を向上したい…

という2つです。

では、昇給という思い切った経営者の判断は、社員の側にどう受け止められているのでしょうか。

実は、給料が上がっただけでは、必ずしも社員のやる気は上がらない、という事実があります。

あなたはそう聞くと、社員のやる気を高められるほど、十分な額を支払えないからでは?と考えるかもしれません。

実際に、今年昇給を実施しようと考えている経営者はかなり多いようですが、給与の見直しをするにあたっては、金額をアップするだけではない大事なポイントがあるのです。

 人材が定着する会社がしていること

中小企業は、賃金水準だけでは大手企業の待遇となかなか勝負できません。

そこである会社は、希望すれば生涯働ける、という安心感を提供することにしました。社長の覚悟としては、なんと90歳まで働ける会社を目指しているそうです。

現状では企業は、本人が希望すると65歳までの雇用を義務づけられています。実際には大手企業の多くで、50歳を過ぎると給与は頭打ちになったり、役職定年で大幅に減ったりします。

一定の年齢を越えると、社員のやる気はどうしても下がってしまいがちです。

しかし、例に挙げた中小企業では、いったん定年を迎えた人に様々な働き方のパターンを用意して、90歳まで働ける会社、という方針を打ち出しています。

例えば月給制の嘱託社員、フルタイムで、決算賞与も定期賞与も正社員と同様。時給制の嘱託社員は、出勤日も勤務時間も自由に決められ、定期賞与も決算賞与も給与に比例して支払われる。65歳を超えたらパート形態で、勤務体系と賃金体系は時給制の嘱託社員とほぼ同様。

この会社では上述のような取り組みの結果、他の会社で働いていた定年退職者が就職してくるようになっています。

定年後も長く働ける仕組みには、生涯働ける場の提供と、生きがいの提供があり、単なる賃金の支払いにとどまらない価値があるのです。

 やる気に報いる表彰

表彰によって報奨金を渡している会社もあります。例えば、顧客満足度を上げた社員を表彰して、1万円を支給する、などです。

この会社は、報奨金を月給と一緒に銀行口座に振り込んでも、たいして印象に残らないと考えて、朝礼で社員の見守る中、対象者に大入袋の手渡しをしています。

この取り組みに関して、基本給を低くして、それを補う目的で報奨金を使うのはお勧めしません。社員の努力に報いる社長の気持ちをきちんと伝えたければ、賃金水準を落とさないことが優先されます。

 経営理念を伝える手当

中にはユニークな手当を出している会社もあります。例えば、勉強会手当。年間60回開催され、1回5000円支給されるので、全て出席すると30万円になります。

社員が持ち回りで講師を務めるため、しっかりと準備することが求められます。それによって、社員ひとりひとりに経営理念が浸透することを狙っているのです。

これには理由があり、以前この会社は離職率が非常に高かったのだそうです。

社長の思い、会社としての理念が伝わらないと人材が定着しない、と思い至った社長が考えた手当の仕組みによって、今は離職率が大幅に減りました。

このように中小企業の賃金戦略は、お金に思いをのせて伝えていくことがとても大切です。

生涯働ける安心感を届けることも、わざわざ現金を手渡して表彰することも、手当を支払ってまで勉強会で理念を染み込ませることも、すべては経営者の思いを社員にしっかりと伝えたい、という考えから生まれたものです。

中小企業経営者であるあなたにとって、社員との絆を深めることは、何より大きなテーマと言えるのではないでしょうか。

 

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