公開日:2017/11/06

「2代目社長への事業継承をうまくやりたい」問題への1つの処方箋

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From: 甲斐 慶彦
沖縄、那覇市のモスより。

これは今、私がたまたまコンサルをさせてもらっている社長さんが抱えている問題です。

「2代目への事業継承をスムーズにやりたい」

同じ悩みを抱えている社長さんは、意外に多いのではないでしょうか?

今時点では、2代目社長さんに「マーケティングを教えて欲しい」ということでコンサルをさせてもらっていて、直接初代社長さんとお話しする機会が少ないのですが、次に会ってお話しすることがあればぜひ伝えたい、と思っていることを今回シェアしたいと思います。

そう、これはまだ当の社長さんにはまだ話していない内容です。しかし絶対にお話ししなければ、と考えていることです。なので、頭の中を整理する、という意味で、実際にその社長さんにお伝えする前にあなたにお話ししたいと思います。
 

「継がせられるものなら継がせたいけど、できるなら実力で部下からの信頼を勝ち取って欲しい」

直接こんなことを初代社長さんが話したわけではありませんが、いろいろとお話しを聞く中で、そんな意向があるんだろうな、と感じ取りました。

たしかに、その通りでしょうね。

その会社は美容室を中心に5店舗を経営。3人の支社長がおり、プラス2人の店長がいます。各店舗には数人のスタッフもいて、2代目社長さんは一応、美容学校は出ているもののスタイリストとしての実力で言うと、いちスタッフレベル、とのことです。

今まで苦労と試行錯誤を積み重ねて作り上げてきた一国一城の主。この城を、継がせられるものなら継がせたいけど、2代目の実力不足や権威・信頼性には不安がある状態…。

2代目はこれから実力を磨いていくしかないけど、そこは美容室業界…。生半可な実力では心が離れてしまい、容赦なく支社長も店長クラスも独立という道を選びかねません…軽々に組織を継承しようとすると空中分解しかねない状況です。

社長さんは現在60前半…
支社長や店長は40代から50代。
2代目社長は30代前半です。

少し想像してみてください。
もしあなたなら、どのように幹部級の心をつなぎとめ、2代目に継がせようとしますか…?とってもとっても難しい問題です。

2代目の実力が追いつくのを待つのでは間に合わない

これまでは初代社長さんの魅力、人間力、技術力の高さ、経験値の豊富さで有能な支社長や店長が一緒に仕事をしてくれていました。

しかし、その魅力は初代社長自身が20年30年と、失敗や試行錯誤を積み重ねることで身につけてきた叩き上げの実力ですよね。これを2代目が数年程度で身につけられるわけがありません。

当然、2代目社長さんが下す様々な判断は、経験豊富な支社長や店長から見て未熟に見えることもたくさんあるでしょう。

そこで「なんで2代目の言うことを聞かなきゃいけないんだ?こんな社長にはついていけない。独立して自分の好きなようにしたい」となってしまっては組織は空中分解…初代社長さんが苦労してつくった城はみるみる崩れてしまいます。

その一方、「初代社長にはお世話になった。今は未熟でも、今までの恩を返す意味で2代目社長を育て、盛り立てていこう!」となれば…うまく事業継承していけるでしょう。

なにがこの2つを分けると思いますか?

もちろん正解・不正解があるものではないかもしれませんが、私の考えでは、この問題は…実は2代目の実力うんぬんでなく、初代社長さんの在り方で決まるように思います。

初代社長さんの魅力と権威を、うまく2代目に移す方法

もったいぶっても仕方ないので、単刀直入に言います。

「初代社長の『礼徳』を高めて、それを2代目社長に移す」

これが私が考える正解です。

これは私の師匠である楠瀬さんからいただいた教え。

「『礼徳』が高まると、自然と目下の者への影響力が高まる」

前提がないと全く訳わかんないと思うので解説します。

礼徳とは…
「すべての人間に敬意を表し、丁寧に接していれば、当然その人への信頼は自然と高まっていく」という教えです。

抽象的なので、もっと具体的に解説しますね。

例えば「目上の人に、敬意を表し、丁寧に接するのは当たり前」ですよね。これができない人は、目上の人から仕事を任せられることもなければ、他人に信頼してもらうこともできません。

しかし、本当にその人の本質が顔を出すのは「部下や目下への対応」です。
「おい!社長の言うことなんだから、ツベコベ言わずにさっさとやれ!」

こんな態度をとる人は、絶対に信頼されません。
そして、その人の部下や目下の人も「こんな人の元からはできるだけ早く、離れたい」と考えるはずです。

ここまで酷くなくても、今まで社長さんの魅力、人間力、技術力の高さ、経験値の豊富さで「有無を言わせずに言うことを聞かせていた」場合でも同様です。2代目に映ったら、それらの要素がなくなるので、当然「有無を言わせずに言うことを聞かせる」ことはできなくなってしまいます。

逆を考えてみましょう。
例えば、
あなたが最も尊敬する人に接する態度と同じように、目下の人にも接していたら…その部下や目下の人は、自然とその人に対して敬意と恩を感じると思いませんか?

例えば、あなたが部下や目下の人からある提案をされたとします。

それを…(あなたが最も尊敬する人に接するのと同じ態度を心がけて…

「ありがとう。君なりのベストの考えを示してくれたことに対して、感謝しかない。ただ、◯◯の視点で考えると導入すべきかはもうちょっと考える必要があるかもしれない。△△という視点では、とっても有意義な提案だと思うから、ぜひ◯◯という視点を加味してさらに考えてもらえないかな。でも、こうやって今会社にとってやるべきことを深く考えて、提案してくれるのは本当にありがたい。引き続き、よろしく。」

部下や目下の者が、社長からこんな態度で対応されたら、敬意が高まるしかありません!自分がさらに成長する道筋も示してもらいながら、自分の提案をしっかりと受け止めて、フィードバックをくれる。

そんな社長には敬意だけでなく、恩も感じます。
そんな恩を感じる社長から「2代目はまだまだ未熟だけど、一緒に盛り立ててもらえないか?」と頼まれれば、無下にはできないですよね?

社長自身の魅力、人間力、技術力の高さ、経験値は、2代目に移すことができませんが、社長への敬意、社長に対する恩は、2代目に移すことが可能です。

「お世話になったあなたが言うなら…」と人肌脱いでくれることもあるでしょう。2代目にはその間に、実力を磨いて貰えばいいのです。

まだまだ、若造の私ですが、事業継承に伴う『人の問題』の解決策としては、「これしかないんじゃないか?」とすら思っている考えです。

少しでも参考になれば幸いです。
長文をお読みいただき、ありがとうございまいた。

部下への仕事の任せ方については、こちらの記事もとても参考になりますよ → コチラ

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