公開日:2017/11/02

あなたの会社が越えるべきもの

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From:脇田優美子

今経営が上手くいっているように見えても、このまま眺めているだけでは、あっという間に下降線をたどっていく…絶えず改良改善し続けなければならない…

経営の厳しさと言えばその通りなのですが、経営者のあなたは、常に変化し続ける必要があることを忘れてはいけません。

たとえ今は業績が好調でも、決して立ち止まってはいけない、このことを理解している会社は、どんなことを考え何を実行しているのか、参考にすべき事例をお伝えします。

お客様の心理と感性を研究

あるレストランチェーンでは、提供する料理の味について、お客様へのアンケート調査をやり尽くしても本音がつかめない、という悩みを抱えていました。

そこで、試行錯誤の末、全国の大学の研究内容を調べ、脳波を分析することにたどり着いたといいます。

自社の料理を試食してもらい、それを食べている間の脳波の変化を測定したり、競合他社と自社のソースを順番に試食してもらい、ストレス・喜び・リラックスなどさまざまな要素を計測分析して、提供する料理の味に反映しているのだそうです。

この会社は経費をつぎ込んで、なぜここまでの追求をしているのでしょうか。

それは、自社のレストランチェーンの生き残りと発展に必要なポイントを、明確にわかっているからです。

この企業が資金を投じて目指しているのは、「特徴が目立ち過ぎず、繰り返し食べられる味」を見極めることです。非常に核心的な戦略ポイントだと思いませんか。

「美味しい」などというあいまいさを退けて、自社の味に明確な定義づけを行っています。その上で、徹底的に追求しているのです。

事例では詳しく明かされていませんが、おそらくはこのように立ち止まらず前進し続けているのではないでしょうか。

会社がさらに売り上げを伸ばす味とは?→何度も来店してもらえる味ならば、成長を後押しできるのではないか?→リピートしてもらえる味とはどんな味なのか?→美味しくても、飽きる味だと繰り返し来店してもらえないのではないか?

→特徴が目立たない美味しさを極めれば、リピートしてもらえるのではないか?→それはいったいどんな味なのか?→アンケートを徹底的に行ってみよう

→アンケートからは、特徴が目立たず繰り返し食べられる味が見出せなかった→どんな方法ならその味にたどり着けるのか?→もしかすると、感性や心理の研究で判明するのではないか?→誰がそのことに詳しいのか?

→専門家や研究機関を調べてみよう→専門的な分析で自社の戦略的な味を極めていけるかもしれない→実際に自社の料理を食べる人の脳波を分析→味に反映…

こんな感じで、順調なうちに休む暇なく、他社には簡単に真似できないような努力を続けているのでしょう。

レストランであなたが何気なく食べている料理の裏側で、ここまでの研究がなされているということを、経営者ならば気づいておかなければなりません。

中小企業が脳波の研究の経費を捻出するのは無理だとしても、例えば売れている他社の商品と自社商品を比較テストする、などはすぐにでもできることです。

これは一度やったら終わり、というものではなく、絶えずお客様の嗜好の変化をキャッチアップしておかなければ、あっという間に置いていかれてしまいます。

これから何が求められ何が遠ざけられていくのか?常に意識して、目を離さないようにしましょう。

自社が乗り越えるべきは?

このレストランチェーンでは、自社の置かれている産業構造の問題を、自社を否定することで乗り越えようと試みています。

外食産業のピーク時間は昼と夜の2回しかありません。現状はこの営業形態で利益が十分に上がり、事業が好調であるにもかかわらず、この会社の会長と社長は、これではいけない、と考えています。

なぜなら、すぐとなりの事業形態であるファストフードでは、一日中お客様が入っているからです。

昼と夜の2回だけ忙しい自社の状態は、レストランなので業態としては当たり前と思ってしまいそうですが、そうは捉えていないのです。レストランでも一日中お客様に来店してもらえるにはどうしたらよいのか?そこに挑戦しているのです。

ある実験店舗を出店し、注文後わずか1分でパスタが出てくる新業態をテストしています。さらに、テイクアウト主体でスープパスタとパンの詰め放題をセットにした、ワンコイン店舗もテスト中です。

先を見据えて、絶えず手を打っていく姿勢があるからこそ、成長し続けていることがよくわかる事例です。

順調な時に足場を固める

今事業が順調なのは、経営者の努力の賜物で素晴らしいことです。しかし、ビジネスにおいて現状維持は衰退を意味する、ということはあなたも十分ご存知でしょう。

上手く行っている時に利益を溜め込むことばかりに動かず、今後の展開のために投資することが、自社の命運を分ける要です。

今回の事例は、自社の業態を強化すること、新業態を試す、などでしたが、あなたの場合はそれは何でしょうか。

インターネットマーケティングが手薄かもしれません。あるいは成熟期から衰退期に入りつつある業態そのものが問題かもしれません。

何にせよ、立ち止まらず考えてください。業績が傾いてしまってからでは遅いのです。

自社の体力のあるうちに、現状を乗り越え成長へのステップに足をかけましょう。

PS
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