公開日:2018/08/20

2人の「日本一の富豪」に学ぶ、古参役員との向き合い方

会社を引き継いでから2代目社長、3代目社長が直面する問題の一つが役員との関係です。

 

というのも、中小企業では役員というのは先代が選んだ、先代とウマが合う人ばかりです。必ずしも2代目とウマが合うわけではありません。
そして、先代社長と一緒に創業期の苦労を分かち合っていることが多いのです。

 

ということは、「社長の役目を継ぎました」と言ったところで、「苦労知らずのボンボンが何を言う」といった感じで接してくることが多いかもしれません。

 

彼らの忠誠心が会社に向いて入れば大いに助けてくれる存在になりますが、忠誠心が先代社長に向いている場合は2代目社長にとってはありがた迷惑な存在になってしまうことでしょう。

 

そんな役員との付き合い方について、2人の対照的な方法えをとった「日本一の資産家」が参考になるっでしょう。

 

堤義明氏の場合

今ではなかなかイメージできないかもしれませんし、もしかすると堤義明という名前を聞いてピンとこない人もいるかもしれません。西武グループのトップであった堤義明氏のことです。

 

彼はバブル期の日本にあって、フォーブス誌の「世界一の資産家ランキング」のトップを飾り続けた「世界一の大富豪」でした。

 

そんな「世界一の大富豪」と呼ばれた経営者も父親の事業を引き継いだ2代目社長の一人です。先代の堤康次郎氏は「やり手」と言う言葉が陳腐に思えるくらいの経営者で、軽井沢を避暑地として有名にしたほか、没落した旧宮家、旧華族の持つ土地を買い取り、プリンスホテルを作り上げました。

 

息子の義明氏が、康次郎氏の後継者になったのは、多くの康次郎氏の子の中で最も服従する姿勢を見せたからと言われていますが、とにかく康次郎氏の事業を引き継ぐことになりました。

 

経営を引き継ぐ前にも「自然の海水浴場の真横に人工プールを造り成功させる(大磯ロングビーチ)」「冬の軽井沢に客を呼ぶ」といった事業を手がけることで、独自のアイデアを実行する力があることを示していました。
しかし、「10年は新規事業をやるな」という父の康次郎氏の言葉があったとも言われていますが、目立った動きを見せずにいました。

 

この間、康次郎氏の番頭が目を光らせていてやりたい事業を自由にできなかったと言われていますが、父親の経営手法を尊重しつつ結果を出し続けることで彼らの社内での実権を徐々に奪っていったそうです。

 

その後、彼らに代わって、義昭氏は大学時代から共に観光事業を学んでいた仲間を側近としておきました。そして、表舞台に姿を現した後はバブル景気を引っ張る日本経済の顔として君臨することになります。

 

堤義明氏の例を見てどんな付き合い方の参考になるかと言うと、「耐えて結果を出し続ける」ということが言えるのではないでしょうか。
時間はかかるものの実力を認めさせた上で会社の実権を掌握して行くというアプローチになりますのである意味経営者にとっては王道的な方法なのかもしれません。

 

柳井正社長の場合

現在、日本トップクラスの資産家と言われているのがユニクロの柳井正社長です。その柳井社長も実は創業者から事業を受け継いだ、後継ぎ社長の一人です。

 

彼の父は山口県の宇部市で小郡商事という紳士服を売る小さな会社を経営していました。一方息子の正氏は商売を継ぐどころか、大学4年生になっても就職活動さえしないでいたそうです。見かねた父親の勧めで入社したのがジャスコでした。

 

しかし、ジャスコでも仕事に興味が持てず1年足らずで退社することになります。ただ、ジャスコ社員の仕事に対する熱意は非常に正氏の印象に残ったそうです。

 

そうして、正氏は父親の会社に入社することになりました。いざ、入社して中から父の会社を眺めてみると、いろいろなことに気づきました。ジャスコに比べて仕事の効率が悪いし、従業員が真面目に働いていない。そうして、思ったままを直接指摘していったというのです。

 

その結果、一人を残してもともといた社員が全て退職してしまい、仕入れから人事まで一人でやらざるを得なくなったのです。しかし、これがきっかけで会社の運営に面白さを感じるようになったそうです。

 

その後、1984年に正式に会社の社長に就任すると、それまでフォーマルな紳士服を販売していたのをカジュアル路線に転換することにしました。これは社員数が少ない中会社運営を効率化しようと、社内の動きを文書で見える化していく過程で、どちらかというとカジュアルで安い商品がよく売れているということがわかったためと言われています。

その後は「ユニクロ」として、日本を代表するカジュアルブランドに大きく飛躍していったのはご存知でしょう。

柳井社長から見えてくる役員との付き合い方というのは、「納得できないなら辞めてもらう」というように言えると思います。
この方法を取る場合、会社の経営資源はそのままに起業したみたいな状態になってしまうので、会社の未来について明確なビジョンがあるとか、自分の信念がしっかりしているという場合にはこの方法を取るのも良いかもしれませんね。

 

PS

会社の未来、明確なビジョン。言葉で言えば簡単ですが、なかなか思い描けるものではないですよね?
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