公開日:2017/09/29

実働6時間55分!店長がすばやく退店する方法

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もしあなたが店舗に入り込む経営者オーナーなら、今日は早くかえりたいと思ったことはないでしょうか?

なぜかって、そりゃ早く家に帰りたいですよね。可愛いお子さんに会いたいし、たまにはパートナーのご機嫌も取らないといけないかもしれませんし。。。

でも本当は分かっているはずです。時間を取ってしなければならないこと、やりたいことがあることを。

そのためには、早く帰るよりも、早くお店のオペレーションから抜けることですよね。

では、どうやってお店のオペレーションラインから抜け出すのか?

ある店長の実践した方法がお役に立つかもしれません。

彼が6時間と55分で取っている行動に、現場からいち早く抜け出すヒントが隠れています。

ぜひ注意してみてください。

飲食店店長1日のスタートです

お店は2フロアーを使用、ロケーションは、お店を挟む様に2本の鉄道が並行して走っています。どちらの駅からも徒歩2〜3分の立地となります。駅と駅の間は商店街になっており、国際色の強い街でもあります。

テナントビル裏手の非常階段をひとつ上り2階から二重ロックを外し入店します。ドアを再度施錠し同じフロアーの更衣室へ移動、3分後、タイムカードを6:00に打刻。

1階の施錠を解除、バックオフィスで本日の引継ぎとスタッフスケジュールを確認します。スタッフスケジュールにサッと何やら書き込み、所定の位置にセットします。今度は左の一点に目線を動かすと機器のスイッチを入れはじめます。毎日の事なので、無意識で出来てしまう事ではあります。

スイッチを入れながら機器のチェック、中の食材の確認、リストへの書き込みと、一連の動作を通して今日スタートのお店の状態を把握していきます。2階の様子ももちろん1階に降りてくるまでに確認済みです。加熱の必要なものはセットしながらと開店準備も同時進行です。
6:25になるとスタッフがひとりシフトして来ます。

お店の開店パターンは2つあります。ひとつは通常の売上予測の開店準備と対前年比で高い売上予測に備えた開店準備のパターンです。通常パターンではシャッターを上げ、看板、表示物のセット、お店周りの清掃からはじめてもらいます。また売上が見込まれる日には、もうひとりのスタッフが早目に加わり、その日の仕込みに取り掛かってもらいます。

スタッフも作業をはじめる前には確認をしますが、ベテランになれば、すでに身体に馴染んだ動き方と時間の使い方がありオープンでの時間内に収まる様に作業を進めます。店長には作業量を確認するだけで、時たま目線を一点に動かすだけで作業が進んでいきます。オープン前に準備がすべて整えば、スタッフで一休みしてから8:00のオープンを迎えます。

午前中のオペレーションとランチ前準備

その後のオペレーションは、お客さんの様子、お店周りの状況を見極めながら進めていきます。その日のクリンナップポイントの改善、その日のスタッフへのOJTなどを折り込みながら午前中を通して判断していきます。出勤してくるスタッフさんには、駅の状況はいつも通りか、とか声を掛けながら進めていきます。もちろん予定通りとはいかないことも多いです。うれしいことに事前の情報収集が甘く多数のお客さん来店で急遽予定変更になったりします。

10:00にはモーニングメニューからランチへと切り替えていきます。お店のスタッフの休憩を回しながらこの日1番の売上となる時間帯へ体制を整えていきます。臨戦体制をイメージしながら、各スタッフの状態も確認していきます。通常通りであれば、その日取れる最強の布陣を敷きますが、日の浅い新人スタッフがいたり、遅刻するものがたまにいたりとその都度の調整は必要です。各スタッフも持ち場の準備をしつつ12:00を迎えます。

このお店のランチは約30分間、12:30までがピークです。お持ち帰りもランチ売上25%はありますので、その対応も侮れません。全員でこの時間帯に集中します。ピークが過ぎ、ひと段落と思っても、いったん店長は持ち場を離れ客席、レストルーム、お店周りを素早く確認してまわります。

12:35その場で改善できることは手短に済ませ、手の空いたスタッフから時間の掛かる改善ポイントを手短に指示していきます。スタッフはディリゲーションされたことと、いつもの確認事項をみて改善作業を13:00タイムゴールに進めていきます。

店長はその間に最終確認を済ませるとスタッフリーダーへと引き継ぐこととなります。各スタッフへ簡単に声をかけると12:55でタイムカードを打刻し消えていきます。さて、この後の店長はどうしたのか?はあとでお話しするとして、この店長が6時間55分の間に頻繁に使用していたものに気がつかれましたでしょうか。

6時間55分で帰ることがよい訳ではありません。毎日できるわけでもありません。最速何時間で、人事生産性も犠牲にせずにオペレーション・ラインから抜け出せるのかを試してみたものです。

使用したツールは3つ

  • フローチャート
    お店の1日でする仕事を時間帯別に配置したスケジュール表です。お店での作業項目を誰がみてもわかる様になっています。大方、1号店の店舗では店長、オーナーの頭の中にだけ時間割があります。毎日出勤して自分で動いて、指示を出しているのでひとりだけ分かっていれば事が済みます。なので、業務を書きだしたり、見える形にしたりはしていない事が多いです。1日通しての仕事、作業、業務を時間帯別に何をするかを誰が見てもわかるようにする事が大切です。フローチャートがあれば、無言の指示が書かれていることとなります。忙しい時ほど、いちいち説明するのは大変です。フローチャートを見て、リーダーに今のこの時間「これお願いします」と確認するだけです。お店のスタッフ全員で共通認識を持てます。
  • チェックリスト
    フローチャートにある作業項目を実際の形にする時に役立ちます。チェックリストとは作業後に使うイメージがあるかもしれませんが、作業事前のチェックにも使えます。飛行機のパイロットは飛ぶ前にチェックリストを使います。だから安全に空を飛ぶことができます。業務の漏れ、完成度、時間のチェックができますので安定した運営につながっていきます。また誰が作業をしても必ずチェックリストに記入することです。リーダーを含めて全員が実施することで意思統一ができます。
  • マニュアル
    最初はあればよい位です。OJTに入る前のOffJTとして読み合わせに使えます。今なければ、教えたことをその場でメモしてもらえば、それがそのスタッフにとってのマニュアルです。あとで中堅クラスのスタッフにまとめてもらうとよいマニュアルが出来上がります。大学生スタッフに頼むのもよいアイデアです。中堅クラスのスタッフだと経験がありますが、文章にまとめてみると意外とわからないことが出て来ます。必ずと言っていいほど質問を受けると思います。それがスタッフの教育にもなり、疑問が解消されたよいマニュアルとなります。もしマニュアルを読んだことのないスタッフがいるなら感想をベテランスタッフが聞いてみましょう。店長が一方的にわかったつもりで作ったマニュアルは実はわかりづらいことが多いものです。それがマニュアルを店長は作らない方がよい理由です。

後は店長、オーナーは口を挟まず「これを見てやってみて!」と言うだけです。この3つを整備していくことで、次期店舗の準備にもつながります。まずはフローチャートを作って、フローチャートを元にスタッフを教育、訓練していくことです。店長、オーナーが知っていること、やっていることは、すべて伝えることです。変に出し惜しみすると結局あとあと、指示したことと違うことになりかねません。そして、なぜそうするのか、理由もセットでOJTすることをオススメします。人は理由があるから自主的に行動します。そんな人の性質を利用しないのは実にもったいないですよね。

長時間拘束は当たり前か?

店舗に入り込み店舗運営されているのなら拘束時間は長くなりがちです。好きでお店をはじめられたのだから、お店に長時間いることに何の抵抗もないかもしれません。しかし問題意識を持って長時間お店に居るのと、お店を維持管理するためだけにお店に止まるのでは大違いではないでしょうか。

もし今日、今すぐ帰りたいと思ったとしても前者と後者では対応が別れることとなります。またいつでもすぐに帰れるというマインドセットは、店主オーナーとしてとても心の余裕ができて今後の事業展開にも大きく影響を及ぼします。余裕ができることで、見聞を広げるだけでなく競合を調査したり、2店舗目を出すための戦略を練ったりできます。ぜひ、この店長が使う1日のフローチャートから、いかにして長時間拘束から逃れて余裕を持って店舗運営するのか、を参考になさってみてください。

最後は、いち早くお店のオペレーションラインから抜け出して、先のことを考えてください。決して自分がいなければ、お店は回らないとは考えないでくださいね。もしそうしたいのなら、2号店、多店舗展開は当分先になると覚悟することになるかもしれません。

PS.
裏口から退店した彼は、その後どこへ消えたのでしょうか。いいえ、2階にいました。そうです。何やら客席で手帳を出してニヤニヤしながら書いていますよ。きっと将来の夢を描いているのに違いありませんね。^^

ぜひ、あなたも事業拡大という夢をわたし達に語ってくれませんか。お手伝いする準備はすでに整っています。

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