公開日:2017/10/07

個別化戦略こそが中小企業の生き残る道って知っていますか?

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これは、売上が伸びず、経営が安定しない年商1億円足らずの中小企業の成瀬社長が、自社を年商10億円の会社に育て上げるために、他社に圧倒的な差をつける秘訣と言われる「12の付加価値」とやらを求めて旅をする物語である。(フィクション)

成瀬社長が次に向かったのは有限会社ユニークです。

ライバルに差をつける意外な方法

約束の時間に事務所を訪ねると、髪を金色に染めて、派手なTシャツを着た若い女性が応対に出てきました。社長に面談の約束があることを伝えると、ニコニコしながら応接室(らしき所)に案内されました。

応接室で待っていると、現れたのは40代後半の細身の男性でした。こちらも派手な服装で、“ちょい悪 親父”といった雰囲気。名刺交換で「成瀬です」と名乗ったら「陣内です。パンク・ロックやってます」と答えが返ってきました。

成瀬社長は異様な雰囲気に押され気味になりつつも、気を取り直してビジネスの成功の秘訣を教えて欲しいとお願いしました。

陣内社長は、「そんなの、簡単ですよ!スペシャリティです。スペシャリティ」と答えて、その秘訣を教えてくれました。
 

スペシャリティという付加価値

現在は、生活に必要なもので手に入らないものはありません。しかも、同じ用途のものでも、様々な種類の製品があります。例えば、スマホ。OSで言えば、AndroidかiOS、一部はWindows Mobileもあります。この中でも、AndroidはOSが無料ということもあり、様々なメーカーが、デザイン、性能、サイズの異なったものを出しています。

そこで消費者も、自分の好みに合ったものを選ぶようになりました。これが「スペシャリティ(個別化)」です。選択肢が少ない場合には、ある製品が市場を独占することも可能です。ところが、あらゆる製品がこれだけ多様化してくると、通常では「独占」するのが難しくなります

小売店だって同じようなものです。昔は、電球を買おうと思ったら、近所の電気屋に行くか、街中のデパートにでも行かなくては買えませんでした。ところが、今やコンビニでも電球は買えます。家電チェーン店なら、どれを選んだらいいかわからないくらいたくさんの電球があります。このような状態では、品数も少ない小さな電気屋さんに、わざわざ行く人はいないでしょう。

ウチ(有限会社ユニーク)も、元々は町の洋品店でした。ですが、近くに大型ショッピングセンターが出来て、客足が遠のき、倒産寸前でした。そこで目をつけたのが、趣味の「パンク・ロック」に関係した、パンク・ファッション専門店です。

最初は、バンド仲間が冗談で、パンク・ファッション専門店があったら流行るかも?といったので、「どうせダメなら、自分の好きな服でも仕入れて売るか」という、半分投げやりな気持ちで始めました。そのうち、服だけでなく、グッズなども扱うようになり、今じゃ、口コミで他県からもお客さんが集まってきます。

しかも、そんじょそこらでは買えないものばかりですから、他の店と比較されないので、利益率が高く取れます。もちろん、数は多くは出ませんが、利益は十分に取れています。しかも、当然、パンク・ファンばかりが集まるので、そのお客さんたちを集めたサークルを作って、イベントをやったり、海外コンサート・ツアーを企画したりしてますので、そちらの方からも利益が出ていますね。

社員からは「社長の好きな事ばかりをやっているのに儲かっていますね」なんて言われていますよ。

中小企業だからこそできる戦略

このように「スペシャリティ」は中小企業にとって、非常に有効な戦略です。なぜなら、大手ができない小さなニーズやニッチを作る事で勝負できるからです。多様化している、今だからこそ、有効な戦略ですね。

ただ、注意しないといけないのは、ニッチに絞っても利益を出せる市場があるかどうか?という事です。私の場合には、ダメ元で始めて、偶然にニーズがありましたが、進出したいニッチ市場を十分に調査する必要がありますね。

陣内社長の話を聞いてから、事務所近くの店舗に案内されました。店の中には、見た事もない商品がずらっと並んでおり、平日の昼間だというのに、そこそこお客さんもいました。中には、サラリーマン姿のお客さんもいて、店員と楽しそうに話をしていました。

成瀬社長は、陣内社長に、スペシャリティという付加価値のつけ方もあるということを学ばせてもらったことに礼を言って帰路につきました。帰り際に「お土産」と言って陣内社長にもらったブレスレットのようなものは、どうしようかな?と悩みながら。

P.S.ブレイクスルーしたい社長に話題の場所があります

中小企業経営支援会

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