公開日:2017/11/26

代行サービスでお客さんに感謝されて売上拡大

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これは、売上が伸びず、経営が安定しない年商1億円足らずの中小企業の成瀬社長が、自社を年商10億円の会社に育て上げるために、他社に圧倒的な差をつける秘訣と言われる「12の付加価値」とやらを求めて旅をする物語である。(フィクション)

11番目に成瀬社長が訪れたのは、郊外にあるおしゃれな感じの高級フレンチレストランです。昼過ぎに訪問したので、お客さんはほとんどおらず、オーナーの「台高」さんが対応してくれました。

成瀬:台高さん。率直に伺いますが、このような場所でフレンチレストランを経営して、そんなに儲かるのですか?

台高:ハハハ。いいえ。この店での利益はそんなに多くありませんよ。飲食店で言えば普通レベルでしょうね。ただ、別のことでガッツリ儲かっていますがね。

成瀬:なんですか?その“別のこと”というのは。

台高:ホームパーティーの出張サービスのようなものですよ。料理の「代行」ですね。そもそもは店のお客さんの要望から始めたんですがね。それが口コミで広がっちゃって、今では、売上げはたいしたことはないですが、利益には貢献していますね。ただ、料理を出すだけじゃなくて、作り方のアドバイスとか調理器具の使い方なども合わせて教えていますので、お客さんも価値を感じてもらえるのでしょうね。お客さんの「アシスタント」サービスですよ。

成瀬:その「アシスタント」サービスについて、もっと教えてください!

台高:ええ、いいですよ。

 

「アシスタント」=ビジネスの本質

あなたの業界業種では当たり前、自分たちの年齢では当たり前、経験者には当たり前の事であっても、ある一定の層にとっては、「わからなくて、できなくて死ぬほど辛いこと」または「自分でやるのは面倒くさいこと」はたくさんあります。

例えば、パソコンの設定。できる人にとっては、どうということもない作業ですが、分厚い取扱説明書を開くと、知らない言葉のオンパレードで、何をどうしたらいいのかわからない、という人もいます。このような人は誰かに「パソコンの設定代行」を依頼します。

また、夜の会合があるけど、一旦、車で自宅に帰って、そこから出直すのは面倒と思う人もいます。このような人は「運転代行」を使います。

このように、他人の「わからない」「できない」「面倒くさい」はビジネスになります。そして、本業のビジネスに、これらのほんのちょっとした「わからない」「できない」「面倒くさい」を解決するサービスを付け加えるのが「アシスタント」の付加価値です。要は、お客さんの「お手伝い」をすることです。

アシスタントのアイデアいろいろ

パソコンの設定などの機械の準備や使い方だけに限らず、お手伝いが必要な分野はたくさんあります。

最初に思い浮かぶのは、高齢者や身障者の手伝いをするヘルパーでしょう。これからは、高齢者が増えてくるので、この分野は、ますますニーズが増えると思われます。

意外なところでは、家具があります。家具のイケアは、自分で組み立てられるような家具の素材を大量生産して、安価な家具を販売しています。これは「セルフ」ビジネスの一種なのですが、一方で、この組み立てが自分で出来ない、やりたくないというお客さんのために、別料金で『組み立てサービス』を提供しています。

だったら最初から組み立てられた家具を買えば良いものを、と思いますが、現実的に、そういうニーズもあるのです。

また、計測器製造・販売・メンテナンスの会社が、自社の赤外線サーモグラフィー(温度を測るもの)をドローンに搭載して、太陽光発電パネルのメンテナンス代行を行っています。本来は、技術者が太陽光パネルを点検するのですが、太陽光パネルの枚数が多いところや、逆に、いちいち技術者に点検してもらうほどでもない、というお客さん向けに数十万円で点検を「代行」しています。

その他にも、写真撮影の代行というビジネスもあります。こちらも、最近では「自撮り」が流行っているので、そんなニーズがあるのか?と思いますが、「自撮り」では満足できないけど、プロのカメラマンに撮ってもらうほどでもない、というお客さんのニーズが少なからずあります。

しかも、撮影者は全国にいるセミプロ・カメラマンです。注文が入ったら、該当するカメラマンに連絡して撮影してもらい、会社は紹介料をもらうという仕組みなので、在庫を持つ必要も、カメラマンを雇用する必要もありません。

これらは、付加価値を通り越して、本格的なビジネスになりつつありものですが、おそらく最初は、お客さんの「わからない」「できない」「面倒くさい」を代わりにやってあげる「アシスタント」からスタートしたと思います。

一般的に、大手企業は「アシスタント」を避ける傾向にあります。儲からないし、効率が悪いからです。ですので、私達中小企業はチャンスがあります。「アシスタント」の付加価値をつけるだけで、ある一定の層を独占できます。

アシスタント付加価値の見つけ方

では、どうやったら「アシスタント」ビジネスを見つけることができるのでしょうか?

まず、あなたのビジネスの中で、アシスタントが必要な仕事を探してみて下さい。

例えば、あなたが街の電気屋さんだとしましょう。電化製品は大手の家電量販店で買ったほうが安いですし、Amazonなどのネットショップでも購入できます。ですが、それらを使えるようになるためには、製品があるだけではダメです。製品をちょうど良い具合に設置したり、付属品を取り付けたりしなくてはいけません。それらは、知っている人、慣れた人なら簡単にできてしまいます。

ところが、知らない人にとっては、とんでもなく大変なことです。そこで、セッティングや調整の代行というサービスが出てきます。家電量販店でも、製品の販売だけでは利益が小さいので、数千円で配達から据付までをやるサービスを販売しています。このサービスの利益は製品の販売よりも大きくなることがあります。

次に、ターゲットを絞ってみて下さい。

そのアシスタントを必要としている人を決めます。最近は、高齢者が増えてきていますが、高齢者は遠くへ出かけたり、細かい作業や複雑な作業が困難です。

先ほどの例で言えば、若い人は車で郊外の家電量販店に出向くことも厭わないでしょう。ですが、高齢者は違います。自分で車を運転するのは危ないし、わざわざタクシーで家電量販店に行くのも億劫です。もっと言えば、店員から製品の説明を聞いて、自分に合ったものを選ぶことさえもできない場合があります。その結果、あれが足りないとか、これでは使えない、といったことが起こります。

そこで、あなたから出かけて行って、要望を聞き、製品や付属品などを選んで、届けて使えるようにするサービスが可能になります。

最後に、とりあえず試しにやってみる

どんなに素晴らしいアイデアを思いついても、実際にやってみると想定外のことが起こります。お客さんには喜ばれるものの、本業の売上げにはつながらなかったり、社員の負担だけが増えて不満を増大させる可能性もあります。

ですから、社員には「お客さんのため」ということを理解してもらった上で、小さくテストしてみて、徐々に大きくしていくことが大切です。

誰かの「面倒くさい」はお金になります

誰かが「面倒くさい」と思っていることを、その人の代わりにやればお金をもらえます。あなたのお客さんの「面倒くさい」を見逃さないように常に目を光らせておいて下さい。

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