公開日:2017/09/04

自ら大きな売り上げを手放す経営者…

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From:甲斐 慶彦
沖縄那覇市の自宅より

今回は、私がクライアントのお客さんやスタッフさんにインタビューする中で見つけた「大きな売り上げを自ら手放しそうになっていた事件」について、お届けしたいと思います。

今回の内容は、中小企業経営者にとって結構アルアルな部分が多いかもしれないので、ぜひ確認しておいてくださいね。最も始末が悪いのは「わかってるつもり」になって自ら大きな売り上げを手放していることに気づかないことです。

その損失は、利益ベースで言えば全体の3割ほどを占めるものだと予想しています。
3割の利益が消滅したら、大半の会社は傾きますよね。

そして、一度手放すと、その売り上げは取り返せないことも想定されます。
それくらい危機的な状況にもかかわらず、「まぁ、そこは問題ないな」と経営者が思ってしまう問題なのです。

では、何がそこまで大きな問題なのか…解説していきます。
 

部下からの進言に隠れていた「大きな売り上げを自ら手放す機会」

ある経営者は、部下からこんな報告を受けていたようです。

「2年以上…長く通われている会員様が、いつも変わらないサービス内容に若干飽きが来ているようです。サービス内容には満足しているようですが、アップグレードするなり、新しいサービス内容を取り入れることも検討したほうが良いのではないでしょうか?」

その経営者さんは、その報告を前々から受けていて、認識はしていたようですが、「まぁ必要ないだろう…」と判断していたようです。

実際そこで提供されているサービスは完成度が高く、同じ効果をお客様に提供する別バージョンを考案しようと思ったら多大な時間と労力を要するような内容の進言でした。

そして、私がそのスタッフさんやお客さんにインタビューした結果、同じような内容を聞くことになった、という感じです。

2年以上定着しているような固定客を退屈させてしまっている…

これは…マーケティング的にはとっても大きな問題です。
お店を気に入り、スタッフを気に入り、サービス内容を気に入ってくれているお客さんは、会社にとって安定した売り上げをもたらしてくれる非常に貴重な存在です。

そういった貴重な存在に、「退屈な時間」を提供してしまっているのであれば、自らライバル店などの「他の選択肢を検討」するよう勧めているようなものだからです。
これが「自ら大きな売り上げを手放している」と表現する所以です。

気持ちはとてもわかります…。
人間、つい手に入っているものは永遠に手元にあるものだと考えてしまいがちですよね…いや、どちらかと言うと、手に入っているものについてはロクに考えを巡らせなくなり、その結果フォローアップが不十分となり、退屈させて失客してしまうんだと思います。

あるラーメン屋の話…

例えば、ラーメン屋に例えて考えてみましょう。

そのラーメン屋には「究極のラーメン」が提供されています。品数は1つ。
究極のラーメンであるため、味も完璧、栄養バランスも完璧、価格帯もバッチリ!といった代物です。それさえ食べていれば、いつも健康を維持できる、味も他とは比べるべくもない美味しいラーメンです。

2年以上通っていただいているお客様は、その価値を十二分に理解しています。栄養バランスも完璧、価格帯もいい、味も最高…「ここのラーメンを最高に気に入ってるんだ!ただ、若干飽きてきたけどな…」

こう思うと、自然と他のラーメン屋に目が行くようになりますよね。多少不健康でも、多少完成度が落ちるラーメンでも、多少高いラーメンでも「他の味が知りたい…」そういう欲求が湧いて出てくるのは人間として自然なことです。

このラーメン屋に必要なのは、小手先のマーケティング施策ではありません。
「あぁ、このラーメン屋、こんなメニューもあるんだ!」と思ってもらえる新しいメニューです。

もちろん、「究極のラーメン」なので、それを改善するのには多大な時間と労力と、思考が必要になるでしょう。

ただ、ここで伝えたいのは…
「こんなメニューもあるんだ」という体験を定着顧客に提供しさえすれば「他の選択肢」に目が行くことも自然と無くなりますよ…ということです。
人間、どうしても飽きがくるので、価値を十分に理解してくれているお客様が他に目を向けない程度には、「新しいサービス」を提供していかなければ、貴重な存在から手放すことになりかねませんよ…ということです。

この話を聞いて、私は即クライアントに対し、新しいサービスを検討するよう、マーケティングの視点を加えながら提案しました。十分に真意を理解してもらえるようこれからもしつこく提案していこうと考えています。

自らサービスの「賞味期限」を作ってしまっていませんか?

ここまで書いてみて…

「やはりそれでも実際に新しいサービスを考案してもらうのは難しそうだなぁ」と感じます。専門知識も創造性も総動員して考えていただかなければいけない事柄だからです。忙しい会社経営者に、そのための時間を捻出してもらい、そのための多大な思考力を駆使してもらうことが難しいことは現場を見ているマーケティング担当としては、ひしひしと感じるからです。

ただ、それが

本来永遠に使い続けてもらう価値があるはずのサービス「賞味期限」を作ってしまっていることに気づいて欲しいのです。

あなたのサービスにいつの間にか「賞味期限」がついてしまっていませんか?
あなたの至極のサービスが「もう賞味期限切れだな」なんてお客さんに思われないよう、ぜひ振り返ってみてください。

あなたはどちらの経営者ですか?
1つは、自らサービスに「賞味期限」を作り、「自ら大きな売り上げを手放す」経営者。
もう1つは、多少面倒でも「賞味期限切れ」と言われないよう創意工夫と労力を投じて、確固たる収益基盤を築き上げる経営者。

あなたが後者の経営者であることを願っています。

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