公開日:2018/01/26

押す?いえいえ持ち上げますよ!お店の本気度を示す時

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そのお店は繁華街のメインストリートにある路面店です。

駅の改札を出て歩くこと7〜8分のところに位置しています。

休日には歩行者天国ではないですが歩く人が多すぎて歩道からはみだしてしまいます。

車も通行止めではないので納品の車は通常とおり通過していきます。

早朝の繁華街では

カラスが鳴いて鳩がポッポと歩いているようなすでに繁雑な状態となりつつあります。清掃車が往き交い、納品の車が搬入を繰り返しています。スタッフもお店の準備に追われているのがお店の前を通りすぎるだけでわかります。時間がない中、少人数での作業が続きますから、忙しい中にも正確で確実な作業が求められます。小さなミスもその後の店舗運営に響いてきますので、新人さんには朝のシフトは厳しい環境といえるなかで仕事をこなしています。

店長!酔っ払いでしょうか?

そんないつも人やら車、台車、自転車でごった返す前の早朝に事件は起きました。店頭と客席の清掃、セットアップ担当のスタッフが報告にやってきました。とにかく店頭にきて欲しいというので、店頭へ一緒に確認に向かいます。「う〜ん、たしかにこの状態は困ったね」と店長も困惑顔です。

何が問題か?
問題はお店の入り口、ファーサイド、アプローチに関しての事です。肝心のお客様が出入りする場所が塞がってしまっているのです。これには、店長も困りました。もうすぐ営業開始時間が迫っています。もう時間がありません。もう決断するしかありません。

あなたならどうしますか?
それは車がお店のお客様専用出入口の真ん前に止めてあるのです。しかもピタッと幅寄せしてあり、酔っ払いの所業ではないことが明らかです。計算された所業です。車は軽ワゴンタイプ。110番してレッカー移動を要請する手もありますが、いつ来るのかヤキモキして待つのは御免だと考えたようです。営業開始まで後10分というところで店長は決断します。車のドライバーが戻ってくる事を期待して待っていましたがもう時間がないので仕方ありません。

持ち上げます

男子従業員、スタッフ、まだ着替えてもいないアルバイトスタッフも呼び集めます。車と対峙する総勢男子4名、全員で車を取り囲みます。車体周りから車の下に手を入りて持ち上げ始めます。完全に持ち上げで移動することはできませんから、バックに3人まわり持ち上げながら位置をずらしていきます。数十センチ車を移動しては人がまた別角度に移動しては方向転換していきます。

徐々にお店の入口から離れていく軽ワゴン車。電柱あるところまで車を寄せていきます。移動距離にして1m50cm位でしょうか。しかも車は当初の方向とは45度違う方向を向いています。他の通行の邪魔にならないように気をつけます。これでお店の入口は確保されました。

110番してレッカー車を待ってもよかつたかもしれません。(実は110番できない理由がありました)

    1. これは、お客様のために利便性を優先した行為だったのでしょうか。
    1. お店、会社の利益を優先した行動だったのでしょうか。
    1. いわゆる心理学用語にある一貫性の原理が働いたのでしょうか。

どれも正解

車1台が店頭を塞いでいることはお店において由々しき事態です。店長としてジッとしていられる、黙って見ていらられる精神状態ではありませんね。店長に去来したものは、プロとしてのプライドだったのかもしれません。何としても通常とおりにお店を開店したいという強い思いがあったことにかわりないでしょう。側から見れば車の端で手を切ったりと危険もありますし、自ら車を持ち上げで動かすなんて発想は出てこないかもしれません。

しかし店長は見事な行動を取りお店とお客さんを守りました。お店ひとつが開かないだけの事のように感じるかもしれませんが、いつもの常連さんからすれば緊急事態になりかねません。いつものルーティーンを壊されることは1日のスタートを台無しにされることと同じです。いつも通りに営業していることは、お店にとっても、お客様、地域社会においてもとても大切なことなのです。電車の遅延がわかりやすい事例です。

あなたのお店のはたしている役割は決して小さくありません。お店も社会の一部インフラを担っている責任があると考えた場合、この店長のアクションは至極当然であったといえるのではないでしょうか。

PS.
モーニングメニューが終わり店頭に出てみると軽ワゴン車は消えていました。
(実は助手席にワンちゃんが乗っていたのです^^;)

PPS.
こちらから経営者の本気度を示すことができます。
>>中小企業経営支援会

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