From:桜井啓太
盛岡駅フェザンのスタバより
顧客リストの管理、どうしていますか?
もしかしたら社長であるあなたも、「CRM」というものを耳にしたことがあるかもしれません。
これはCustomer Relationship Mangementの略。単純に日本語に直せば「顧客との関係性を管理する」ということになります。
近年、このCRMがかなりもてはやされています。クラウドを使ったサービスが流行ってきたり、ビッグデータが注目されている流れにも合致しています。顧客管理をうまくやることで、会社の売上が上がった、なんて事例を社長も見たことがあるかもしれません。
とはいえ、「うちの会社ではまだそんなことやってないよ」という中小企業経営者が多いことも事実…。
そこで今回は「今さら聞けないCRM」と題して、これからCRMをはじめるという社長にヒントをお伝えいたします。
CRMをやるとどうなるの?
私は、専門スキルの一つとして「リストブランディング」ということをやっています。リストとは顧客リスト。その「ブランディング」なのでリストブランディングということです。
何のためにリストブランディングをやるかというと、もちろん売上のためです。
顧客リストと言っても、実は住所は知りません。下手したら名前も知りません。ここはビジネスによって変わってくるところです。
私たちはウェブマーケティングをやっているので、メールアドレスさえ分かっていればビジネスをすることができます。もちろん名前や住所があったほうが有利なのは間違いないですし、ビジネスによっては必須にもなってきます。
そして、メールアドレスしか知らない人たちを相手に売上を上げることができています。2日間で3万円の商品が10個売れたり、4日間で116名に対して月額1万円のサービスが売れたりしています。平均継続月数を12ヶ月とするならば、1000万円以上の売上に相当します。
なぜこれだけの売上が上がっているのか?それは名前でも住所でもなく…「顧客との関係性」があったからです。まさにCRMのうちの「Customer Relation」の部分です。
CRMを導入する目的は、「顧客との関係性を育てて売上につなげる」ためだと分かっておけば十分だと思います。
中小企業CRMの実態
とはいえ、中小企業ではCRMがまだまだ浸透していないことも事実です。
例えば私が以前経営していた企業の例です。学習塾を経営していましたが、顧客は基本的には月額会員です。「入会」という手間を挟むわけですから、当たり前のように名前や住所、電話番号などを聞くことができます。そういったものをエクセルに入力して、必要なら見ていました。
それから顧問をやっている別の企業の例。そこは美容室でしたが、とある店舗の管理の仕方がなんと「ルーズリーフに手書き」でした。エクセルですらなかったのです。なので更新も満足になされず、70人の優良顧客にハガキを送ったら、20人くらいは届かなかった、なんてこともありました。
このように、中小企業の顧客管理の状況は思ったより厳しいものであると感じています。理由は単に「そこまで手が回らないから」ということです。人員やコストをかけてまで、CRMに必要な体制を構築するほど余裕がある企業は多くありません。もしかしたらあなたの会社も満足にやれていないかもしれませんが、それは仕方のないことです。
顧客情報の収集だけでは足りない
「とはいえ、顧客情報をまとめておけばいいんだろう?」もしあなたがそう思ったのなら…。残念、それは違います。もちろん、名前や住所など最低限の顧客情報を記録しておくことは必要です。
ですが、情報を集めることがCRMではありません。R、すなわち「関係性を構築すること」が目的なわけです。
なぜ「関係性」が必要なのか。それは…
あなたの会社の理想的状態とは…?
「もっとお客さんが欲しい」
社長はこう願っているようで、望んでいないと私は思います。なぜなら、いつまでも「新規客」とばかり付き合いたい社長はいないからです。どれだけお金を出してくれる人なのか分かりませんし、知らない人と付き合うのは常に疲れることです。
本当に社長が望んでいることは
- 気の合った一部の優良顧客とだけ付き合って売上を立てたい
- 値下げを要求するような変なお客さんとは付き合いたくない
- 来月の売上の不安がなく過ごしたい
こういうことのはずです。新規顧客が欲しいのは、「今そういうお客さんがいないが、新しい人の中にはいるんじゃないか」という気持ちからだと思います。
この願いを叶えるのがCRMです
お分かりですか?「顧客との関係性」があれば、これらの願いが全て叶ってしまうことに…。
顧客との関係性があれば、
- 一部のファン(もっというと信者)顧客が、会社の売上をどんどん伸ばしてくれる
- その結果、新規客が不要になり、知らない/気の合わないお客さんと付き合う必要がなくなる
- 来月の売上が確定している
このような理想の状態が実現することになります。
CRMは、単なる顧客データの管理ではありません。手元のデータを活用して、「どのようにファン/信者であるお客さんを増やすか」。これがCRMの目的になります。
どうやってCRMをやればいいのか
まずデータ管理で言うと、ぶっちゃけた話「エクセルでいい」のではないでしょうか。
よく販売されているCRMソフトを色々見てみましたが、あなたの会社の状況に合うとは限らないのです。
例えば私は学習塾でしたが、生徒氏名とともに保護者氏名も必要です。そして、できたら家族構成や兄弟姉妹の名前も記録したいです。特に弟妹の情報は重要で、上が卒業していなくなっても、下を人質に引き取る、なんてことを狙ったりします(文字にすると鬼畜ですね)。
しかしながら、既存のCRMソフトにはそういった項目がないのです。たまに塾のために調整したソフトもありましたが、使い勝手やサポートはやはり大手のほうがいい。そんな矛盾を感じていました。大手さんの方にカスタマイズをお願いすることもできますが、いくらかかるというのか…。
あなたがどういうビジネスをやっているのかにもよりますが、顧客リストってせいぜい数百、いって数千ではないですか?だとしたら、多少重くなるかもしれませんがエクセルで十分です。
たとえ大手にカスタマイズをお願いして理想的なCRMソフトができたように見えても、ビジネスの状況で「最適」なものはコロコロ変わります。後から「誕生日も聞いておいたほうが良いよね」と思ったとして、さらにカスタマイズ費用がかかり続けたりもします。
だとしたら、多少イモっぽいとしてもエクセルを使い続けたほうが良いです。今ならエクセルでさえも、クラウド上で社内共有ができたり、セキュリティを強化したりできるようですから。
入門編まとめ
そこまで何とか体制をつくったとして、実はそれでもまだCRMができたというわけではありません。なぜなら顧客との「関係性構築」については、まだ何もやっていないからです。
名前や住所、メールアドレスを知っているということは「連絡先を知っている」ということになります。つまり、こちらから情報を届けることができるのです。
そこで、どういった情報を届ければいいのか?そこを考えるのが私の専門である「リストブランディング」ということになるのです。
今回の記事では、入門編としてCRMおよびリストブランディングという考え方について説明しました。次回からは具体的にどうやってやっていくのかについてお伝えしたいと思います。
また記事を読んで下さいね。
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