公開日:2017/09/15

モノからコトへ 体験価値をオファーにしてロイヤリティを高めた事例

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From: 長岡和男

マーケティングを勉強されているなら、
「モノからコトへ」というのを一度は聞いたことがあるかもしれません。

つまり消費者、お客さんは、商品を求めているのではなく体験を欲しているということ。

・モノ消費は「商品・サービスの機能に価値を感じて選ぶこと」
・コト消費は「商品・サービスによって得られる経験に価値を感じて選ぶこと」
となります。

今回は小売店の事例から「コト消費」とは何か、現場からお伝えしてまいります。

 

ビビットなソファ@お客さん宅前

「せいの!」「1 、2の、3!」

「ハァー!」と、ひと息、一仕事終えて一言。

「いやー、大丈夫ですか?」

「力持ちすね(笑)。」

あるお客さんのお宅で、
こんなことが起きていました。

何が起きたのか、
最初から経緯を再現してみると、、、

お客さんの家の前にソファを積んだ軽トラが止まります。

「ピンポーン!」とチャイムを鳴らして応答を待ちます。

「こんにちは、インテリアショップです。
ご注文のソファお届けに参りました。
これから搬入しますが、手伝っていただいても、よろしいですか。」

ドアフォンから、
「はい、はい、今行きま〜す。」の声

その間に、軽トラからシートを外し、
荷台のゲートを下げ
荷台から地面にかけて毛布を敷いて、ソファを床に下ろします。

すると、
ちょうど玄関のドアが開き、
本日の搬入を手伝ってくれる人物が
現れます。

「搬入先は、どちらになりますか?」

「2階です。2階のリビングにお願いします!」

「2階ですね」

現場に着くまでは、どこに家具を設置するのかは、
わかりません。

予め、聞いていたとしても、
当初の予定と変わっているなんてことはよくある事です。

「では、下から行きますから、上からは引っ張り上げる感じでお願いしますね。」

玄関でクツを脱ぎ捨てて、
ソファを左へ半回転しながら、
空間スペースを計りながら階段を一歩づつ上っていきます。

今度は、ソファの脚を持ちながら右へひねります。

そのままの状態で一気に上まで押し上げます。

よかった!内心ホッとする瞬間です。

搬入の相棒は素人さんです

階段の幅が狭く、
まれにですが、途中で詰まってしまうこともあります。

これは下から押し上げている方は、大変です。

もちろん、引っ張り上げる方も大変ですね。

その場で引っ掛かるソファの脚を
くるくると回して外すこともあります。

でも、今回は、
わりとすんなりとリビングに到着しました。

鼻息を1つつくと、目指すスペースを発見。

あらかじめ空けてあったスペース目指して2人で運び込みます。

「はぁー!」と大きく肩で一息です。

この瞬間、お互いに笑顔になります。

この時、同志となります。

搬入という共同作業をすることで、お互いにこの人は味方だという
認識に変わります。ちょっと大袈裟!?

ご注文のソファを1階から2階へ 2人で運び上げたと言うことだけで。

インテリアショップの体験オファー

「送料無料! ただし玄関先から搬入場所までは運ぶのを手伝ってください!」

こんな感じのザックリとしたオファーです。

無料になるけど、条件がある。

もちろん、
家具を運ぶのなんてゴメンだよ、
と言うお客さんもいます。

面倒だなと思うお客さんもいるでしょう。

それはそれで、良いのです。

その時は、
人を頼んで運びますし送料を実費でいただくだけですから。

実は、
このオファーは苦肉の策から生まれたものでした。

一人で家具を運んだりするのは、
外での作業であれば問題ありません。

ただ、
部屋の中へ家具を運び込むとなると助けが必要になります。

時間にして市内での配送なので往復1時間もあれば完了するので
アルバイトを雇うような仕事でもありません。

たまに人を頼むのですが、
小一時間のためにお願いするのも気が引けるものです。

そこで、送料をタダにするから、
お届け先に搬入する時は手伝ってよ、
とお客さんに約束を取り付けていたのです。

しかし、このオファー、搬入体験が、
後々大きな成果となって現れてきます。

このオファーの何がいいのか?

これが、
ロイヤリティを高めるオファーの正体です。

同じ目標に向かって、同じ時間、
同じくことを一緒に取り組むわけです。

まして、
お客さんが楽しみにしていたお部屋のイメージを
今まさに実現しようとしています。

それを手伝ってくれるお店のスタッフに親近感を持つのは
自然なことではないでしょうか。

事実、
そこからお客さんのプチ自慢が始まったりします。

「このテーブルと合わせると、いいと思ってたんだけど・・・」

「どう、思います。」

「この色と合うと思ったんだけど、どう、いい感じ!?」
とかとか。

うれしさが、
あふれる瞬間を共有していますね。
こちらも嬉しくなります。

共同作業は共感を得る絶好の機会!

こんなに大変な作業をお客さんとする必要はもちろんありません。

むしろ嫌がられることがほとんどでしょう。

でも、
お客さんと共同で何かを成し遂げる演出はあると盛り上がりますし、
まして、
お客さんにメリットがあるなら楽しいものになります。

例えば、つかみ取りなんてのは、どうでしょうか。

お客さんが目一杯掴んで、
袋を持った店員さんが受取りますよね。

これも、
お客さんが掴みそこないそうな所をフォローして袋に入れてあげるとか、
すると一瞬で盛り上がりますよね。
掴めるだけ掴むと言うメリットと袋に入れる作業、
その袋を持って受け取ろうとする従業員の共同作業が成立します。

同じくことをしている感覚が共感になります。

共感がお店にへのロイヤリティです。

楽しい体験がお客さんの記憶に残ります。

お客さんを巻き込む仕掛けとなります。
買い物は本来お客さんに取って楽しいものですから、
本来の形に戻ったとも言えますね。

お客さんは、
どうせ使うなら楽しくお金を使いたいはずです。

お客さんも自分で参加していますから、
意外と楽しいはずです。

たとえ上手くできなかったとしても
その場で店員さんがフォロー出来るので
気まずいこともありません。

お客さんが参加できるオファーとは
お客さんにセルフで何かをしてもらうのではなく、
お客さんに取ってメリットのあることを一緒にやる事です。

焼肉、BBQ(バーベキュー)と同じ原理です

一緒に共同作業する事で仲良くなることができます。

ちょっとした事を手伝ってもらう、
それもお客さんのメリットになるようなコト

少し難しく感じるかもしれませんが、
いくつか他にも例をご紹介しますね。

例えば、

  • 料理の食材をその場で選んでもらい、ナベに放り込んでもらう、とか
  • 写メや一緒に写真に写るのも、楽しい共同作業です。
     写真をプレゼントしたり店内に飾らせていただいたり出来ますね。
  • お客さんの誕生日なら、一緒にハピバースディ!を歌う、なんて
  • さらに、運び込んだ家具(商品)設置後、
     お客さんと一緒に記念写真をパシャリと

よくあることですが、
お店ごと一体になれる瞬間ですね。

共感が得られやすい体験価値だと思います。

お店とお客さんの距離が縮った瞬間と言えそうですね。

セルフサービスでは、楽しい気持ちにはなれない

セルフサービスもお客さんがお店の作業に参加したことになりますが、
何か寂しいですよね。

そこに、
従業員さんが一緒に手伝ってくれたら必ず印象に残るはずです。

「わたしも、お店に参加している」という感覚を持ってもらえると
お客さんの中でお店のステージが一段上がります。

体験型のお店に注目が集まるのは1つにこんな要因があるのでしょう。

お客さんを巻き込むことで、
楽しさと一緒にお店へのロイヤリティが高まります。

まとめると

参加型オファーのメリット

お客さんとの共感が持てる

お店へのロイヤリティが高まります。

お店最高のオファーとは、
お客さんとの共同作業です。

一緒に同じ目的のために何かコトをするのは一体感が生まれます。

その後は同士です。
同じ目的に向けて取組んだ仲間にいつの間にか、
なっています。
お客さんも少しだけ興奮する状態になりますから、
その時には、
ほんの少しだけ自慢がでたり、
感情が現れたりしますが、
これはよい傾向です。

本音が聞けたり、
どんな価値観なのか、
何に興味があるかがわかります。

体験教室や教えることで体験を共有することをされている事例もあります。

でも何も大上段に構える必要はありません。

ちょっとしたことを共有するだけです。

簡単な作業を共同でするだけです。

商品サービスを新たに開発することでも、
変わったエクスペリエンスを提供するとかではありません。

ヒントは、
お客さんと何をすると楽しいだろうか、
と質問し続けることです。

お客さんと共有できるコトは何か?

お客さんに何かちょっとしたコトを手伝ってもらうこと。

お客さんを味方に付けたら、
こんな心強いことはありませんよね。

そんなお店なら、
お客さんにも長く親しんでご利用いただけると思いませんか?

PS.
お客さんの信頼獲得、関係性構築にCRMを取り入れるのは賢い選択です。                

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